開発チエ
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KAIHOTSU Chie/開発チエ
アートのお作法

慶應義塾大学卒業時より「美術手帖」「STUDIO VOICE」「SALE 2」などに美術批評を執筆。批評家生活10年経過した後、筆を折り帰郷。犬2匹と実家でのんびり生活中。

日別アーカイブ: 2012年1月25日

日本というカオス 

メルセデスの助手席からは東高現代美術館が見えていた。

だからあれはたぶん1990年くらいのこと。

運転席で南条史生氏はこんなことを言っていた。

「アメリカだと、シティバンクのロビーには今一番ヒップな作家の作品が飾られていないといけない。日本にはそういうの無いからね。。。」

要するにしっかりしたマーケットのシステムが無いってワケ。

その惨状(?)は今も全然変わっていない。

http://digital.asahi.com/articles/TKY201201160436.html?id1=2&id2=cabcabbh

ベルサイユを制覇した村上隆も、まだそういう種の文句をたれている。

 

いつか帝国ホテルにジェフ・クーンズを訪ねたことがある。

ふざけた作家なので、意地悪な質問をいっぱいした。現代思想用語を並べまくって。

手応えはまったく無かった。彼はすべての質問に明晰に答えた。

ジャーナリズムや批評に慣れているということもあるが、

向こう(海外)のアートスクールはこの手のサバイバル術もきちんと教育する。

翻って、日本のアーティストはポートフォリオの作り方さえ満足に教えられないまま、

美大から放り出されてくる。

世界市場で勝てるワケがない。

 

それから、日本のアートジャーナリズムも酷いもんだ。

これまた随分昔の話だが、荒川修作のワンマンショーが美術館で行われた時、囲みの取材があった。

「あのー、なんだっけ、宇宙論の、ほら」と荒川氏が言っているところに、

小声で「ホーキング!」とサポートを入れたら、「あ、そうそう、ホーキンス!」と言ってしまった荒川氏。

「それは靴屋だ~!」と冷や汗流した(^_^;)

それはともかく、「荒川さんにとってハレとケの問題は。。。」ってな質問をした新聞記者がいた。

荒川修作にそんなこと聞いてどうする!?

荒川氏はその質問にむにゃむにゃとテキトーな返答を返した。

「あー、荒川修作狂人説ってこんなところから生まれてくるんだな~」とひしひし。

こんな状況も、いまも大して変わってはいない。

日本の美術界はカオス。とりあえずこれを覚えておいて下さいまし。


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